ゴースティン鯖で頑張る、ふたり血盟の日常。書いている人:仮免許――だったのは過去のハナシ。引退済です。(ナイとは思いますが)私にコンタクトをとる必要がある場合は相方までお願いします。


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王国の誕生

※ひとつ下の日記の続きです

すべての生命体の上に君臨していた巨人たちが突然姿を消すと、
大陸は大きな混乱に陥いります。

彼らは荒野に投げ出された子供のように怯え、
なす術もなくただ呆然としていました。

しかも、星の槌が大陸を強打して起こった大災難によって、
多くの者が死んでいき、また多くの者が混乱の渦中に死にました。
彼らはひたすら神に救いを求めたが、
神々は決して応じなかったそうです。

最初にこの状況を収拾して立ち上がった種族はエルフでした。
彼らは互いに異なる種族をひとつにまとめ上げます。
しかし時間が経つにつれ、
エルフは巨人ほど大陸を治める能力がないということが、
少しずつ明らかになってきました。
まずは、オークが反旗を翻します。

「エルフが我々より強いのか?エルフに我々を統治する資格があるのか? 我々よりも弱き者が生意気にも我々の上に君臨することを、決して認めることは出来ない!」

そしてオークは軍事力でエルフを駆逐することを決めました。
戦闘の中で生き、誇らしげに死を迎えるオークに対し、
平和に暮らして来たエルフは、対抗することが出来ず、
一瞬にして大陸のほとんどはオークの占領下に入り、
エルフは大陸の片隅に追いやられてしまいます。

そこでエルフはドワーフに助けを求めました。
彼らの莫大な資金と優れた武器があれば、
オークと戦っても勝算があると判断したのです。

「地の種族よ、我々に力を貸してくれ。あの凶暴なオークの一団が力まかせに我々を追い詰めるのだ。さあ、早く我々と共にあの連中を断罪しよう。」

だが、ドワーフはエルフの要請を冷たく断りました。
実利を重んずるドワーフにとって、

「ここは弱り目のエルフよりオークに組したほうが実入りがいい。」

ということだったわけです。

ドワーフにフラれてしまったエルフは、
次に風の種族アルテイアに助けを求めることにしました。
彼らの情報力と空中での攻撃力は、
十分にエルフを助けオークを打ち破れると考えたからです。
エルフの使節団は大陸の果てまで行き、彼らに助けを請います。

「風の種族よ、我々を助けたまえ。かの無学なオークの一団が、力で我々を追い詰めているのだ。我々と共に、あの連中に自らの愚かさを知らしめたまえ。」

しかしアルテイアは、
いつものごとく大陸の情勢や戦争などにまるで関心がありません。
彼らは、どちら側の味方にもつかないことを心に決め、
さらに深い奥地に隠れてしまいました。
エルフは絶望します。

この時、落ちぶれたエルフの前に人間の王がやってきました。

「何事だ、卑しいヒューマンの王よ。お前たちまでもが、我々を嘲弄しに来たというのか?」

エルフの王は嘆き叫びました。
すると、人間の王は地面に額がつくほど頭を垂れて言上します。

「違います、賢明なるエルフの王よ。我々は、ただ取るに足りない力ではありますが、お役に立てるかと思って参ったのです。」

この言葉にエルフは大いに喜びました。
たとえ愚かで無力な人間といえども、
彼らは非常に人数が多く、
戦争の際には何らかの形で役に立つかもしれないと考えたからです。

「なんと殊勝なことか、ヒューマンの王よ。お前たちはたとえ軽き存在であっても、我々のために進んでその命を捧げるという忠誠心は見上げたものだ。この戦争を勝利に導けば、お前たちは我がエルフの次に位置する種族になれるだろう。」

この言葉にヒューマンの王は大いに感激し、
何度も何度もひれ伏しました。
しかし、彼は再び注意深く頭を上げ、言葉を続けます。

「限りなく尊いエルフの王よ。エルフの栄えある勝利のために、是非お許しいただきたいことがございます。我々はあまりにも微力です。我々の歯はオークの体にかすり傷一つさえもつけることができず、我々の爪は彼らの筋肉にはね返されるだけなのです。ですから、切にお願い申し上げます。どうか我々にあの連中に立ち向かえるだけの力をお与えください。我々に魔法をお教えください。」

ヒューマンのこの唐突な提案に、
当初は憤慨したエルフの王でしたが、
背に腹は変えられず、魔法を教えることにしたのです。

「ヒューマンの足りない頭で魔法を覚えたところで、たいしたことはないだろう。」

しかしヒューマンは、
エルフが予想していた以上に早く魔法を習得します。
それだけではなく、常に労働にいそしみ、
仲間同士で戦って鍛錬した彼らの肉体は、
オークほどではないが相当に強靭なものでした。
何よりも、ヒューマンは数が多かったため、
その軍隊は短期間で成長を遂げることとなりました。

ヒューマンとエルフの連合軍は、徐々にオークを制圧し始めました。
こうなると、今までオーク側について、
彼らに武器や要塞を作ってやっていたドワーフが、
エルフとヒューマンの連合側につくようになります。
ヒューマンの軍は、ドワーフが作った強力な装備を使用し、
一層強力になりました。

もはや、エルフの軍隊がなくても、
ヒューマンはオークの軍隊を撃退出来るようになっていたのです。

それでも、エルフは最後まで油断していました。
まさか、最も卑しい、
クズのようなヒューマンが反逆を企んでいるとは思いもしなかったのです。
その上、オークからの勝利が自分たちの目の前にある今、
他のことを考える余裕もありませんでした。
やがて、数十年に及ぶ戦争は、
エルフとヒューマンの連合軍の勝利に終わりました。

オークは屈辱的な平和条約を締結し、
自分たちの本拠地であるエルモア北部に追いやられます。

「だが、エルフよ。これは君たちの勝利ではなく、あの汚らわしいヒューマンの勝利だ。君たちは、自分たちが育てたあの怪物たちをどうやって阻止するというのだ。」

ヘストゥイの族長の吐き捨てた言葉通り、
エルフはヒューマンという、
新しい脅威に立ち向かわなければなりませんでした。
しかも、既にエルフは長い戦争に疲れ果てていた。
反面、魔法という力を手にしたヒューマンは、
初めて胸が高鳴っていました。

そしてついに、ヒューマンのエルフに対する反乱が起こります。

ヒューマンはかなり以前から徹底、
かつ秘密裏にこの謀反を企てていました。
エルフは、この時初めて、
飼い犬に手をかまれたことに気付きましたが、既に後の祭り。
エルフが抑え込むには、
ヒューマンは手に余る種族となっていたのです。
エルフは、ヒューマンの大規模な攻勢に次第に押され、
ついには自分たちの本拠地であるエルフの森まで後退します。
そして、ヒューマンとの最後の決戦を準備しました。
この森はエルフの魔法力が最も強く作用する場所だったため、
この森を足がかりに勝利を手にしようとしたのです。
エルフはダンジョンを抜けてそこに身を潜め、
ヒューマンに立ち向かいました。
しかし、およそ3カ月間続いた戦いの末に勝者となったのは、
やはりヒューマンでした。
この時に数々の禁じられた魔法をエルフが使い、
胞子の海が誕生したとのこと。

戦いに敗れたエルフは、
甚大な被害を負って森へと逃げ込みました。

こうしてヒューマンが大陸の覇者となったのです。


長い戦争によって、
ヒューマンの間には、原始的な形の国家が生まれ始めていました。
なかでも中心となっていたのが、
エティナ族をはじめとする魔法を習得したヒューマンたちです。
彼らは、自分たちが持っている力で、
人々を保護し、時には恐怖を与え、
自分たちの王国を建国して行きました。

この過程で大小さまざまな戦争が起こりましたが、
エティナ族の族長であったシュナイマンによって、
現在のアデンとエルモア地方の統一が成されます。

彼は自分が建てた帝国の名をエルモアデンと定め、
自らを皇帝と称しました。

大帝国の皇帝となったシュナイマンは、
ヒューマンの先天的限界に悩みます。

死と破滅を象徴するグランカインが、
自分たちの創造主だという事実は、
いつも他種族に対する劣等感として作用していたのです。

さらに、この世の他の種族を作った残りカスが、
自分たちを形作っているという神話は、
そのまま受け入れるにはあまりにも恥辱でした。

結局、シュナイマンは大々的な宗教改革を行ない、
グランカインの代わりにアインハザードをヒューマンの神とします。

神話と歴史は歪曲され、
黒魔法とグランカインの信者は迫害を受けました。
以後、何代にも及ぶ宗教改革は、
最終的にアインハザードを善の神、グランカインを悪の神とし、
ヒューマンはアインハザードを自分の創造主と考えるようになります。
この事実を知ったグランカインは、
意外にも笑いながらこの事実を受け入れます。

「あの連中が私に仕えないといっても、私は怒りはしない。だが、愚かなヒューマンよ。天をいくら手で覆っても、その天がお前たちの手より小さいと思うのか?」


大陸でエルモアデン帝国が生まれ、
目覚しい発展を遂げている頃、
海を挟んだグレシア地域は未だ混乱期にありました。

この地域にはヒューマンが接近し難い地域が広く分布しており、
強力な権力の出現もなく、
統合された政府樹立の道のりは遥かに遠いものだったようです。

乱立した数十の小国家が各々少しずつ領地を占有し、
戦争と政略を通して離合集散を繰り返していました。

しかし、エルモアデンの強力な軍隊が、
西海大橋と海路を通じて侵犯してくると、
グレシア一帯の国家は連合体を構成してこれに立ち向かいました。
この渦中に多くの国王と貴族たちが死に、
彼らが持っていた権力は生き残った者たちへ、
自然の成り行きとして吸収されることとなります。

エルモアデンの侵略は、
結果的にグレシア一帯に統一帝国が建設される基盤を築き、
ペリオス帝国が誕生する事となる。

その後、ペリオスとエルモアデンは、
互いに競って国力を強固なものにして行きました。

戦力で勝るエルモアアデンでしたが、
ペリオスには巨人が残した優れた遺産が多く残っていたため、
思い通りにペリオスを服属させることは出来ませんでした。


エルモアデンには、象牙の塔という魔法機関があります。
この機関は古代の巨人が使用していた魔法を復元し、
それを再研究、発展させることを目的とした集団でした。

この象牙の塔出身の中で、
最も強力な魔法を備えていたのが、べレスという人間です。
彼は、人間が誕生して以来の最高の天才でした。
巨人の魔法に心酔し、それを磨き、
ついにはそれらの力のほとんどを持つようになりました。

しかし、その力に酔いしれたべレスは、
愚かな野望を抱くようになります。

これに警戒心を持った帝国と象牙の塔は手を組み、
ベレスを処分することにしました。

余りにも強大な力を持つベレスでしたが、
象牙の塔のメイジたちが禁じられた黒魔法を使用することで、
ようやくベレスの力を弱め、彼を地下に封じ込めることに成功します。

ところが、ベレスは封印を解いて脱出してしまいます。

彼はヘルバウンド島に身を隠し、
消え失せた魔法の力を再び蓄え、
いつの日かもう一度大陸を占領するという野望に燃えていました。

この一件で、現在のグルーディオ南部一帯が、
黒魔法の副作用により荒地となってしまったのです。

黒魔法を使ったのは帝国側ですが、
荒地ができたのはべレスの行ないとし、
べレスに悪魔の烙印を押して、
人々にそのような意識を植えつけたのでした。

その頃、エルフは大陸に対する野心をすべて失ない、
森の中での平安な暮らしに落ち着きはじめていました。

この状況に不満を抱いたのが、褐色のエルフ族です。
彼らは、禁じられている黒魔法を使ってでも、
人間と戦い続けなければならないと主張しました。
だが彼らの主張は、当然のごとく他のエルフに反対されます。

そんな時、ある人間のメイジが褐色のエルフに接近しました。
彼は大胆にも褐色のエルフの族長に近づいて話かけます。

「褐色のエルフの王よ、あなた方は力をお望みですね。しかし、あの惰弱なマーシュ エルフとその手下は、あなた方が強い力を持つことを恐れています。あなた方が自分たちを攻撃しないか、もしくは不必要にヒューマンを刺激し、さらに大きな災難を呼び起こさないかと、そればかりを心配しているのです。しかし、そんな惰弱な考えが今のエルフを作ったのです。」

「お前は誰だ、ヒューマンのメイジよ。そんな言葉で我々を眩惑しようというのか?」

「私の名は、ダスパリオン、一介のメイジに過ぎません。しかし、私にはあなた方が望んでいる力があるのです。私はあなた方がその力を持てるように、お手伝いすることが出来ます。その代わりに、あなた方も私が望んでいるものをくださればいいのです。」

「お前が望んでいるもの?それは何だ?」

「それは、あなた方の若さ、すなわち不老長寿の秘法です。私がいくら魔法に精通してるといっても、所詮はヒューマン。私の寿命は百年にもなりません。ですから、褐色のエルフの王よ。我々は互いに望むものを与えることが出来るのです。」

ダスパリオンが持つ黒魔法に魅了された褐色のエルフは、
彼の提案を受け入れ、ついに黒魔法を習得するようになりました。
ダスパリオンも褐色のエルフから望んでいた情報を得て満足し、
森を離れて行きました。
エルフはこの事実を知り、アインハザードを捨て、
グランカインを崇拝し始めた褐色のエルフを破門にしました。

こうしてエルフと褐色のエルフの間の戦闘が始まります。
いざ戦いとなると、ダスパリオンが伝えた恐ろしい黒魔法で、
褐色のエルフはマーシュ エルフを全滅させようと試みました。
その結果、マーシュ エルフの多くが死ぬこととなります。
マーシュ エルフ達は息絶えるその瞬間に、
自分たちを裏切った褐色のエルフに呪いをかけました。
その結果、褐色のエルフの森は朽ち果て、
褐色のエルフは暗闇の種族となってしまいます。
それ以後、褐色のエルフはダーク エルフと呼ばれるようになりました。


エルモアデンの黄金期は、
エルモアデンの成立後、約千年が過ぎたバイウム皇帝の時代でした。
バイウムは強力なカリスマで帝国史上最強の軍隊を作ります。
この軍隊の力で、オークを現在のオーク王国と呼ばれる、
黒い森に押しやることに成功します。

また、ペリオス帝国に大々的な攻撃を加え、
グレシア南部一帯を占領するに至りました。
この時期はヒューマンの王国が、
史上最大の領地を手にしていた時代です。

ペリオスはこの戦争で莫大な被害を負い、体制が揺らぎ始めます。
しかし、バイウムは晩年には征服戦争に興味を失ない、
永遠の命を追求し、帝国の国力を総動員して塔を建て始めました。
これが傲慢の塔の起源です。

「私の名は大陸の隅々まで恐怖と共に響き渡っている。私の身動きひとつで、数万名の人々の命が失いも、救われもするのだ。実に私の力は広大無辺だ。だが、このすべてのものを数十年しか持てないとは、なんと虚しいことであろう!いや、違う。私はあの神々から永遠の命を得、私の帝国を永遠に治めよう。」

バイウムの念願が込められた塔は、
なんと30年にもわたって作られることになります。
彼はこの塔で神々の居所にまで登り、
彼らから永遠の命の秘法を手に入れるつもりでした。
しかし神々は、これを黙って見てはいませんでした。

「卑しいヒューマンの子よ、彼もまた、卑しいヒューマンの子だ。お前が永遠の命を得ようと、恐れ多くも私の寝床を汚しに来るのか?  お前たちは、巨人の最後から何の教訓も得てはいないということか。いいだろう、お前がそのように切に願うのが永遠の命ならば、私がお前にそれを与えよう。だが、お前もこの塔から一歩も出ることが出来ないであろう。」

神の怒りを買ったバイウムは、
塔のてっぺんに幽閉され、工事は中断されてしまいます。
しかもこの工事により、エルモアデンの国力は急速に傾きました。

帝国の求心力であった皇帝が突然消えると、
彼の後継者の座をめぐり、皇族間に熾烈な争いが起きます。

この争いに多くの貴族までもが加わり、
ついにエルモアデン全体が内戦に陥りました。
ただでさえ大工事で国力が弱まっていたところに、
大規模な内戦が繰り広げられると、
帝国はこれ以上持ちこたえることができませんでした。
結局、千年以上続いてきた絢爛たるエルモアデン帝国は、
わずか20年のうちに崩壊してしまいます。


エルモアデンに続いて、
戦争で疲弊していたペリオスも、
冷害と疫病で崩壊してしまいました。

その後、大陸は混乱に包まれます。

貴族たちは各々の名分を掲げて自分たちの王国を建て、
時にはヒューマン以外の他種族に領土を明け渡しもしました。

特にオークは軍隊を再整備し、
再び大陸進出に立ち上がりました。

彼らの軍隊は相変わらず強力で、
すぐにエルモア北部を征服します。
しかし、ノーブル オークと下級オーク間の葛藤と内乱が、
彼らの勢力を弱めてしまいます。

ダーク エルフとの終わりなき戦争のため、
エルフにはこのような状況を利用する余裕がありませんでした。
ドワーフはオークの軍隊に迫られ、
志を掲げる機会さえも得られません。

この時、再び登場したヒューマンの国家が、
大陸北部のエルモア王国でした。
エルモア王国の皇帝は、
「私はエルモアアデン皇帝の直系だ」
と主張し、強力な国家を形成して行きます。
彼らは、大陸の覇権を取ろうと狙っていたオークを、
再びオーク王国に追いやり、
ヒューマンの世界で暮らしていたドワーフを、
スパイン山脈へと追い出しました。

エルモア王国は強力な軍隊を背景に、
大陸の北部地域をすべて手中に収め、
大陸の統一を目指して南進し始めます。

しかし、一度分裂した大陸の統一はそうたやすいことではありません。
大陸南部で最も大きな勢力を形成していたオーレンは、
自国の強みである強力なメイジたちと、
よく訓練された軍隊を使い、
エルモア王国の激しい攻撃の勢いを防ぎきりました。
そして、それ以外の南国も次第に力を養い、
国家の形態を備え始めます。
オーレンを始めとする6、7カ国が均衡を保ちながら、
各々の国家を発展させて行きました。

そんな数百年に及ぶ戦乱の中で、
ベハイム出身のパリスという男が登場します。

彼はベハイムの軍隊にスカウトされ、
ベハイムの領土を本来の5倍の大きさに広げた後、
クーデターを起こして自らが王座につきました。

まず、クェイサーの強力なハイランダーとの激烈な戦闘の末に、
彼らを降伏させることに成功します。
生まれてこのかた、
一度も負けたことのなかったハイランダー トルは、
彼との一対一の対決に敗れ、心の底から彼に感服しました。

「お前は本当にヒューマンなのか? ヒューマンがこのような強さを手に入れられるとは!」

パリスは答えます。

「私がそれほどこの大陸の統一を熱望しているからだ。強き北のファイターよ、私に手を貸してくれ。そうすれば、お前に世界を見せてやろう。」

パリスはその後、白い鷹騎士団や風の騎士団、
そして彼に忠誠を誓ったハイランダーたちを指揮し、
グレシア全域を縫うようにまばゆい戦果を上げます。

グレシアにおいてパリスによる統一活動が活発だった頃、
大陸南部では、統一帝国の建設が始められていました。
この時、アデンに生まれたのがラウルという男。
統一王と呼ばれる王です。

「列国の君主たちよ、あなた方は今、すぐそこまで近づいて来ている、この強大な敵が見えますか? 北の強国エルモアは虎視眈々と我々の財産と命を狙っています。海を挟んだグレシア地域までも統一されると、我々は獅子の口に頭を入れているがごとく、危険な状況に陥ってしまいます。我々は生き延びるために、ひとつになるほかないのです。」

彼は独特の話術とカリスマを武器に、
着実に大陸南部をまとめ始めました。

ラウルは、まずインナドリルを併合し、
アデン王国を構築します。

さらに西進してギランとディオンを併合。

彼の戦争は血を流さないのが特徴でした。

しかし、長い間南国の盟主を自負してきたオーレンは、
たやすくアデンへの吸収を受け入れはしません。

結局、ラウルとオーレン国は全面戦争を始めますが、
この戦いはラウル側の圧倒的勝利で幕を閉じます。
その後、事態の推移を見守っていたグルーディオが、
アデンの領国であることを認めれば、
アデンの統一は完了するはずでした。

アデン統一目前の知らせが伝えられた頃、
グレシアでも最後まで抵抗していたヒュー界隈が、
パリスの手に落ちていました。

パリスは首都をアルペンニノに移し、国家体制を整えます。

しかし、大陸で新しく生まれたばかりのラウルのアデン王国は、
エルモアの鋭い攻撃を防ぎきり、
その実力があなどれないことを立証します。

だが、ラウルの突然の死により、
展開は新しい局面を迎えることになります。
エルモアは数回に渡ってアデンの北方を侵攻し、
ラウルの後釜としてトラビスが奮闘しますが、
彼もまた熱病にかかり、この世を去ってしまいます。
そして、彼の跡を継いでアデンの王位に就いたアマデオは、
まだ16歳になったばかりの幼い少年王でした。

「天が我がグレシア王国を助けてくださる!16歳の坊やが王位に就くとは、アデン王国もこれで終わりだ!」

パリスは新しくアデンの国王となったアマデオを軽く見ていました。
しかしアマデオは、大方の予想を覆して、
エルモアの大規模な侵攻を防ぎきります。

パリスは、アデンがさらに力を養う前に、
一度叩いておく必要があると考えました。
そして彼は、自分の右腕であったジリオスの引き止めさえも振り切り、
海路と陸路を通じてアデンに大々的な侵攻を開始します。
だが、結果はパリスの予想とはまったく違うものでした。
エルモアの国王だったアステアが、
父の敵でもあり昔からの敵国でもあるアデンと手を結んだのです。

「恥知らずな奴め!自分の父の仇である狼野郎と一緒に刀を振り回すとは、いっそのことダガーを口にくわえて自決しろ!」

パリスは怒り心頭し、アステアに向かって叫びますが、
アステアはゆったりとした表情でこの言葉に反撃します。

「狼野郎は後で倒せばいいが、今は年老いた猿を狩る時だからな。」

結局、ギラン一帯で繰り広げられた攻防戦を機に、
グレシア軍は自分たちの国に退却を余儀なくされます。
アデン侵攻の失敗は、
負けることを知らずにいたパリスの自尊心に大きな傷を残しました。

その後、病に倒れたパリスは失意のうちに死亡。
パリスの跡を継ぎ王位に就いたカルネイアは、
大帝国を経営するにはやや柔弱な人物でした。

ここに、ジリオスの後ろ盾を得たクセルスが謀反を起こし、
この戦争はついにグレシアを真っぷたつに分けてしまいます。

ふたつの国家がグレシアという枠の中に入れられてはいたものの、
北グレシアと南グレシアは互いを牽制し、
厳しく対峙するようになりました。
これには、アデンのアマデオを喜ばせます。
彼の主導の下、アデン、エルモア、グレシアは、
相互不可侵の平和条約を締結し、
不安の残る平和な時期を迎えます。

こうして誕生したのが、「リネージュ2」の世界です。
最後まで読んでくださった奇特な方、ありがとうございます。
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by TempLicense | 2005-03-02 17:37 | リネージュ2